情報室

遺産分割協議書の作成<新たな遺産が出てくることへの対処>

相続関連業務で、遺産分割協議書を作成することがあります。
この遺産分割協議書を作成する際に、見落としがちなポイントがあります。それは、「協議書を作成した後に、新たな遺産が出てきたらどうするか」という点です。被相続人の死亡後に、高価な美術品が出てきたり、預金口座がもう一つ出てきたなどということが起こることがあるからです。

ここで、その際の対応について協議書に特に記載していない場合に、新たな遺産が出てきたときは、当該遺産について相続人全員で遺産分割協議を行うことになります。
このような手間を避けるには、最初に協議書を作成するときに、次のいずれかの方式を相続人全員の合意のうえで記載しておくことが必要です。

A 本協議書に記載なき遺産が後日判明した場合は、相続人〇〇〇〇が全て取得する。

B 本協議書に記載なき遺産が後日判明した場合は、各相続人が法定相続分の割合で取得する。

ただし、Bの方式とした場合で、分割の難しい、例えば高価な美術品が出てきたときなどは、結局その遺産について代償分割するか換価分割するかを相続人全員で話し合わなければなりません。
よって、相続人全員の合意が取れれば、Aの方式を記載しておくことが後々一番手間がかからないと言えそうです。

 

  2017/10/29   島崎 拓哉